１．夫婦財産制(契約財産制)

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夫婦の財産関係(民法第７５５条)

夫婦が婚姻の届出前に、夫婦の財産について別段の契約をしなかったとき　　

　は、夫婦の財産関係は、次の項目2. (民法第７６０～７６２条)の法定財産制

　の規定が適用されます。

夫婦財産契約の対抗要件(７５６条)

　婚姻前に夫婦が法定財産制とは違う婚前契約をしたときは、婚姻の届出前に

その登記をしておかないと、その婚姻契約の内容を夫婦の承継人や第三者に

対抗することができません。登記は法務局においてしますが、実際の利用　　

　はわずかです。　　

夫婦の財産関係の変更の制限等(７５８条)　

婚姻の届出後は、夫婦の財産関係を変更することはできません。ただし、

　夫婦の一方が、他の一方の財産を管理する場合で、管理の失当が原因でそ

　の財産を危うくしたときは、他の一方は、自分で自分の財産を管理すること　　

　を裁判所に請求することができます。

また、共有財産については、前述の請求といっしょに、その分割を請求す

　ることができます。

財産の管理者の変更及び共有財産の分割の対抗要件(７５９条)

７５５条と７５８条の規定により、財産の管理者を変更・共有財産の分割を

したときは、その登記をしなければ、それを夫婦の承継人や第三者に対抗す

ることができません。

２．夫婦財産制(法定財産制)

婚姻費用の分担(民法第７６０条)

夫婦は、その資産・収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生まれる費

用を分担します。

日常の家事に関する債務の連帯責任(７６１条)

夫婦の一方が、日常の家事に関して第三者と法律行為(売買・借入れ等)をしたときは、他の一方は、その債務について連帯してその責任を負います。　ただし、第三者に対して責任を負わない旨を予告した場合は、責任を負う必

要はありません。

夫婦間における財産の帰属(７６２)

夫婦の一方が婚姻前から所有していている財産と、婚姻中に一方の名(単独

の名義)で得た財産は、その特有財産(一方の単独の財産)です。夫婦のいず

れの財産か明らかでない場合は、夫婦の共有財産であると推定されます。